あの時とこれからの日常

「まずな、これが意地っ張りで強情で寂しがり屋で我がままで、負けず嫌いでおまけに泣き虫だと理解できない限りこれと付き合っていくことは出来ないんだ」

「うっわー、久々に聞いた、海斗のその文句。てかさ、何度も言うけどひとっつも当たってないからね」

「少し黙ってろ。誰のせいでこうなったと思ってるんだ」

娘にまで心配かけてどうする

「失礼ー。これでも仮にも妻に向かって」

「いいから黙ってろ。で、だ。これの本性を見抜ける奴はそうそういないし、いたとしても衝撃のあまり身を引くことが多々」

そこいらの奴がこれを相手にできるはずがないんだよ

「だから大丈夫って言えないよ。どこの誰がそんな母さんに惚れるかわかんないじゃん」

朝灯の言葉に海斗がふ、と息をつく

「まだまだだなー、朝灯。一人でするもんじゃないじゃない、恋愛って」

ねえ、海斗

同意を求められた海斗は全くだ、と言わんばかりに肩をすくめる

「だからさー」

わけわかんないんですけど、ま、昔からだけど

とつぶやく朝灯に

「わかった。とっておきのヒントは信頼だよ」

満足げに告げたしるふは、隣の海斗を振り返る