海斗の腕が伸びてきてしるふを優しく抱き締める

もちろん祈を起こさないように細心の注意を払って

恋人同士だったころの懐かしい香りにしるふは、そっと息をつく

そっと見上げた漆黒の瞳は、以前より穏やかさを増した

そこに光る優しい光を感じるたびにしるふは幸せを感じる

とん、と優しく額が合わさってから重なる唇は、出逢ったころと変わらない

むしろ優しさと愛しさを増した

恋人同士だったころの懐かしい感覚に浸っていると

「…っ」

リビングの一角から突然響く泣き声

「……今回は朝灯か」

「クリスマスくらい大目に見てもらえないかなあ」

なんていってられないか

仕方ない、とつぶやくのは二人同時

苦笑するもの一緒だ

立ち上がってベビーベッドにいる朝灯をなだめに行くしるふの背を、

海斗は少しの寂しさとけれど穏やかな気持ちで見つめていた

またいつか白衣姿で並べる日を想いながら









そうそう変わらない日常2 Xmasver… 完