「ん?潜入調査がばれて連行中?」
「いや、そうじゃなくて。具合悪いんですか」
園田の心配そうな瞳が隣に立つ海斗に向けられる
「ああ、大丈夫。私妊娠すると眠くなるんだ。祈の時もそうだった。そうやって夕食を作り損ねること云十回」
ねー、海斗
と同意を求められた海斗は、そういうこともあったな、と肩をすくめる
ほっとしたように息をついた園田はそのままICUに下りていく
その背はしるふが記憶しているものより逞しくなった
それが少しさびしくて、うれしい
「終業まで寝てろよ」
仮眠室の一番下のベッドにもぐりこむと海斗がそう言いながら掛布団を肩まで引き上げてくれる
ん、と生返事を返すしるふはすでに半分夢の中
壁の方を向いて眠るしるふの髪をそっと撫でてから仮眠室を後にしようといた海斗の背に
「…海斗」
意外としっかりしたしるふの声がかかる
ふと振り返るとそれを気配で察したしるふが、背を向けたまま
「…久々に黒崎先生に逢えてよかったよ。ちょっと惚れ直した」
「いや、そうじゃなくて。具合悪いんですか」
園田の心配そうな瞳が隣に立つ海斗に向けられる
「ああ、大丈夫。私妊娠すると眠くなるんだ。祈の時もそうだった。そうやって夕食を作り損ねること云十回」
ねー、海斗
と同意を求められた海斗は、そういうこともあったな、と肩をすくめる
ほっとしたように息をついた園田はそのままICUに下りていく
その背はしるふが記憶しているものより逞しくなった
それが少しさびしくて、うれしい
「終業まで寝てろよ」
仮眠室の一番下のベッドにもぐりこむと海斗がそう言いながら掛布団を肩まで引き上げてくれる
ん、と生返事を返すしるふはすでに半分夢の中
壁の方を向いて眠るしるふの髪をそっと撫でてから仮眠室を後にしようといた海斗の背に
「…海斗」
意外としっかりしたしるふの声がかかる
ふと振り返るとそれを気配で察したしるふが、背を向けたまま
「…久々に黒崎先生に逢えてよかったよ。ちょっと惚れ直した」