その瞳にしるふも微笑む

祈を違う方の腕で抱き直してからそっとしるふを引き寄せる

自然と額が触れ合って、その流れで優しく唇が重なる

頬を撫でていく指は、昔と変わらず温かだ

なんてやっていると祈の機嫌がまた悪くなるんだよな…、と思っていると案の定

「…っ、んー」

先ほどとは少し違った抗議の声が海斗の腕の中から聞こえる

「……祈…」

お前ってやつは、とつぶやくあきれ交じりの声は海斗のもの

仕方がない奴だな、と祈をなだめ始める海斗にふふっと微笑んで、しるふはキッチンへと向かう

「祈相手には敵わないからなー」

鍋を温めはじめるしるふは、慣れた様子で愛娘をあやす海斗を横目に嬉しそうにつぶやいた





きっと幾年たってもかわらない、ちょっとほっこりした日常…











そうそう変わらない日常 完