あの時とこれからの日常

ああいえばこういう

変わらない二人のやりとりを少し懐かしい気持ちで微笑みながら神宮寺が聞いている

「まあまあ、黒崎先生はそういいつつもちゃんと立花先生のことを一番に思ってるわよ」

ねえ?

と隣の海斗に同意を求めながらしるふをなだめる

神宮寺の同意を軽くかわしながら

「とにかく、諦めろ」

とむくれるしるふの頭を撫でる

「だったら少しは家に帰ってくる努力をしてよね。そうしないと早々に離婚よ、離婚」

「はいはい」


こうやって冗談を言えるのが、笑いあえるのが当たり前

そんなことないのに

いつからかそう思ってしまう自分が居たのかもしれない

何度も当たり前にならないようにと

日常に埋もれていかないようにと思っていたのに