「よーし。完璧ー」
鏡に映ったしるふを満足そうに見つめて、沙希がにっこり笑う
「ありがとうございます、沙希さん」
紺色のシックなドレスに身を包み、髪をアップにしてもらったしるふは椅子から立ち上がる
二回ほどカールをかけた横の髪がさらりと揺れる
今日、海斗を半ば無理やり出席させた副医院長就任祝宴会
町内にある有名なホテルの一角で行われるそのパーティは、医療界からさまざまな人が出席する
こういう場に出るのは初めてだったしるふは、海斗の姉である沙希に応援を頼んだ
衣装選びも付き合ってもらったし、髪も結い上げてもらった
沙希と会ったのは海斗と付き合って3年目の正月だったが、その時からいろいろと頼もしい存在だ
特に黒崎病院がらみはひとまず沙希に相談しようと思う
海斗に言っても「服装とか関係ないんじゃない」って言われるだけだし
もともとそういう場にしるふを出したがらない奴だし
だから少々強引にしるふから出ないとな、と思う
海斗が自分を大切にしてくれていることはよくわかっている
海斗自身が苦労してきた地位や名声を望む輩にしるふをかかわらせたくないと思っていることも
鏡に映ったしるふを満足そうに見つめて、沙希がにっこり笑う
「ありがとうございます、沙希さん」
紺色のシックなドレスに身を包み、髪をアップにしてもらったしるふは椅子から立ち上がる
二回ほどカールをかけた横の髪がさらりと揺れる
今日、海斗を半ば無理やり出席させた副医院長就任祝宴会
町内にある有名なホテルの一角で行われるそのパーティは、医療界からさまざまな人が出席する
こういう場に出るのは初めてだったしるふは、海斗の姉である沙希に応援を頼んだ
衣装選びも付き合ってもらったし、髪も結い上げてもらった
沙希と会ったのは海斗と付き合って3年目の正月だったが、その時からいろいろと頼もしい存在だ
特に黒崎病院がらみはひとまず沙希に相談しようと思う
海斗に言っても「服装とか関係ないんじゃない」って言われるだけだし
もともとそういう場にしるふを出したがらない奴だし
だから少々強引にしるふから出ないとな、と思う
海斗が自分を大切にしてくれていることはよくわかっている
海斗自身が苦労してきた地位や名声を望む輩にしるふをかかわらせたくないと思っていることも

