「結構、適当に生きてますよ」

ご心配なく

「そう?ならいいけど」

にっこりと笑った彼女の無邪気さは、あの特別な存在に似ている

「でもさ、ホント、彼女出来たら連れてきてね。海斗君が惚れた女を見てみたい」

「期待しない方がいいですよ。出来る予定、ありませんから」

「あら、まだまだねー、海斗君も。男と女なんていつどうなるかわかんないものよ」

ほほほ、と快活な笑い声が響く

「不吉な響きでしかないですから、やめてください」

たとえ天地がひっくり返ってもどこぞの社長令嬢なんかと肩を並べてやるかと

医者になって早々に心に誓った

もちろん、それは今も健在だ

「いや、大丈夫よ。海斗君はきっと最終的には幸せになるタイプだから」

その自信はどこから来るのか、ものすごく問いたい

でも、あまりにも秋穂がにこにこと微笑んでいるので、ふ、と息をつくにとどめる

「なんかいい子居ないの?」

「さあ…」