「それでいいでしょ?」

もぞっと身じろぎして横向きになって微笑む

しばしの沈黙の後、海斗が口だけで笑ったのが伝わってくる

「ああ、上出来だ」

海斗の言葉に、へへっと照れくさそうに笑うのと

海斗が抱きしめてくれるのは同時

これからもずっと彼の隣を歩いて行こうと思う

追いかける背中は、ずっと変わらないから

二人でずっと微笑んでいたいと思うから

だから、どんなことがあっても寄り添っていこうと思う

顔を合わせる時間が少なくなっても

この広いベッドに独り眠りにつくことが多くなっても

今までのように医局で会えなくなっても

それでもずっと想いだけは、大切にしていこうと思う

そっと、そっと、褪せない輝きを放っていてくれるように













あの日の後日談 -黒崎病院編- 完