「でもさー、実を言うとテレビに映ってる黒崎先生視るの初めてじゃない?」
注目される手術が行われても、会見を開くのは医院長の信次で、
海斗は執刀医として名が上るだけだ
まるで暗黙の了解のように海斗は決して会見の場に姿を見せなかった
「ま、一応副院長になるんだもん。腹くくらないとねー」
そのうち医院長になるんだろうしさー
「何が、腹くくらないとね、だ。どの口がそんなことを言う」
ははっ、と快活に笑うしるふの背後で低い声が響く
ついでに持っていたカルテでしるふのあたまを軽く小突く
「うっわ。黒崎先生、聞いてました?今の」
「聞きたくなくても聞こえたがな」
お前、喧嘩売ってるだろう
カルテの背表紙でしるふの頭をコンコン、と叩く
「失礼だなー。海斗の決心と覚悟をちゃんと理解してる上での発言だよ」
「へえ、副院長夫人になる自覚のなかった女が?」
よくもそんなことが言える
注目される手術が行われても、会見を開くのは医院長の信次で、
海斗は執刀医として名が上るだけだ
まるで暗黙の了解のように海斗は決して会見の場に姿を見せなかった
「ま、一応副院長になるんだもん。腹くくらないとねー」
そのうち医院長になるんだろうしさー
「何が、腹くくらないとね、だ。どの口がそんなことを言う」
ははっ、と快活に笑うしるふの背後で低い声が響く
ついでに持っていたカルテでしるふのあたまを軽く小突く
「うっわ。黒崎先生、聞いてました?今の」
「聞きたくなくても聞こえたがな」
お前、喧嘩売ってるだろう
カルテの背表紙でしるふの頭をコンコン、と叩く
「失礼だなー。海斗の決心と覚悟をちゃんと理解してる上での発言だよ」
「へえ、副院長夫人になる自覚のなかった女が?」
よくもそんなことが言える

