あの日の後日談 -神宮寺&信次-
かつん、かつんとヒールの音が響く
周りには人の姿はない
ふと顔を上げると小さくなった建物が遠くに見える
時折聞こえるのは、背後にある小さな山からのさえずり
あとは、道路を行く車のエンジン音
綺麗に整えられた通路を迷わず進んでいく
何度か角を曲がり、目的の場所まで来ると持っていた花と水の入ったバケツを床に置く
ここに来るのはいつ振りだろう
花瓶の中でしおれた花がその年月を物語っていてふと瞳を細める
花瓶の中の水を入れ替え、花をそっと入れる
見栄えがいいように向きを調節してから残った水で汚れをふき取る
さらに残った水を勢いよく懸け終えれば一仕事終了
後は先端だけ赤く染まった線香の煙とともにゆっくりと思いをはせる
ふわりと優しい風が髪をもてあそんでいく
「神宮寺」
ぼんやりと消えていく煙を見つめていた神宮寺晶は、声にふと顔を上げる
「黒崎君」
そこにいたのは、黒崎信次
神宮寺の同期にして最強の戦友だ
かつん、かつんとヒールの音が響く
周りには人の姿はない
ふと顔を上げると小さくなった建物が遠くに見える
時折聞こえるのは、背後にある小さな山からのさえずり
あとは、道路を行く車のエンジン音
綺麗に整えられた通路を迷わず進んでいく
何度か角を曲がり、目的の場所まで来ると持っていた花と水の入ったバケツを床に置く
ここに来るのはいつ振りだろう
花瓶の中でしおれた花がその年月を物語っていてふと瞳を細める
花瓶の中の水を入れ替え、花をそっと入れる
見栄えがいいように向きを調節してから残った水で汚れをふき取る
さらに残った水を勢いよく懸け終えれば一仕事終了
後は先端だけ赤く染まった線香の煙とともにゆっくりと思いをはせる
ふわりと優しい風が髪をもてあそんでいく
「神宮寺」
ぼんやりと消えていく煙を見つめていた神宮寺晶は、声にふと顔を上げる
「黒崎君」
そこにいたのは、黒崎信次
神宮寺の同期にして最強の戦友だ

