「医局長には通じる」

「変化球ってあれですよね。回転かけたりして突然軌道を変える球」

「そう」

「なぜ、何ゆえに私が変化球なんですか!?」

てか、そう呼んでるのって黒崎先生だけですよね!?

「いろいろ変化球だろう。毎日認識新たにしてるけど」

「だから具体的にどういう出来事から私が変化球…!50歩譲っても褒め言葉とか思えないし…!」

むしろなにか、こう、天然記念物と同じような響きが…!!

「立花」

海斗に名を呼ばれ顔を上げると、海斗の後ろに整形外科の文字が躍っている

話している間に目的地についていたようだ

「それとも、変な女の方がいいか」

しごく真面目な顔でそう告げた海斗は、しるふの答えを聞かずに踵を返す

「どっちにしたって褒め言葉とか思えないんだからー!!」

この、鬼ー!!!!

正体現せー!!!

整形外科の面々が、ぎょっと足を止めたのは、言うまでもない