あの時とこれからの日常

「これからの飯田の心理的負担を減らすために教えておいてやるよ」

そう前置きした海斗は、

「これの悩みはな、バレンタインの後に、俺に贈られてくるなんやかんやらをすべて胃に収めるせいで体重が増えることなんだ」

「……は?」

今、何と言いました?

「だから、甘いものが好きなしるふは、たとえそれが俺に贈られてくる顔すら知らない女からのチョコだとしても、モ○ゾフとかロ○ズなんていう銘柄を見た瞬間に捨て置くことなんてできないんだよ」

はあ…

なんか、もうばからしい落ちが見えてるような…

「これで一、二か月かけてゆっくりと消化すればいいものを、食べだすと止まらないなんて言う言い訳の元一週間くらいで消費するもんだから、結果、体重が増える」

「…つまり、普通の人と付き合っていたらそんなにチョコが贈られてくることなんてないから、甘いもの漬けにもならず、体重も増えない、だから普通の人と付き合えばよかったな、というわけですか」

「さすがだ、わかってるじゃないか」

満足そうな海斗の言葉が痛い