あの時とこれからの日常

「莉彩ー」

今日の仕事も終わりに差し掛かった夕方

しるふの間延びした声がナースステーションに響いた

「何?」

近寄っていくとナースステーションの仕切りの上にどん、と紙袋が置かれる

「これ、貰って」

今朝机の横に会ったものとは別のもので、大きさも服を2着ほど買って渡されるくらいのものだ

「別にいいけど、中身は?」

「チョコ、と時々他のお菓子」

「何、しるふ特製?医局で余ったとか?」

「違うよ、海斗宛てのバレンタインチョコ。今日たくさん届いてたでしょ?」

記憶に新しい積み上げられた段ボールの中身か

「…、いいけどさー。もしかして毎年しるふが消化してたとか…」

あの大きな紙袋はいらない段ボールを処分し、中身だけ入れておくために持ってきたものだとしたら

今日でなくなるから、そういったしるふの言葉の意味も分かる

「そうだよー。毎年量が増えていくんだもん」

大変だよ