海斗は全く気にしてない風だったが、隣にいたしるふは怒り奮闘だった

海斗が視線でしるふを制さなければ平手の一発や二発くらわせていたように思う

「横山会長が黒崎先生になんて?」

一応、海斗は神宮寺の部下に当たる

部下を守るのは長としての役目だ

「噂だけだとか親の七光りだとか、どうせ裏金ばらまいたんだろうとか!!マジ!あのひげ面むしり取ってやりたかった!!」

海斗に一から医者として育てられ、そのすごさも患者への対応も知っているしるふは、ああいう上っ面だけのやつが許せない

海斗が気にしなくったって許せない

「しかも!!極めつけにそこいらの社長令嬢を寝落としたんだろうとか、夜の方が順調なんじゃないかとか、まじセクハラだっつーの!!!」

海斗はそんな安い男じゃないわー!!!

「まあ、少し落ち着いて。私から黒崎君にちゃんと報告しておくから、ね?」

ちらちらと医局のドアの方を見ながら当の本人海斗が現れないかと期待しつつしるふをなだめる

神宮寺になだめられてもしるふは、憤然とむくれていた