ふとこの3年を思い出していると

「オヤジか、お前は」

冷静かつ端的な突っ込みが入る

「ひっど!オヤジじゃないもん。乙女に向かって失礼な…!」

といってもお世辞にも女子力のある恰好ではないが

なんて自分の姿を見下ろしていると

「つまみが枝豆じゃ、完全にオヤジだろう」

せめてカルパッチョとか作れよ

再び海斗の低い声が響く

妙にリアルに

「だから!!オヤジじゃ…え?」

あれ?

電話を見つめて、ふと視界に見慣れた影が入った様な気がして顔を上げると

「おわっ!!海斗!!やめてよ、驚かさないでよ!!」

いつの間にか出現した海斗が部屋の入り口に立っていた

すでに電話は通話を終了している

「か、海斗?どうしたの?」

食事会は…?

帰りは、日は股がないけれど遅くなるといったのは、海斗自身だったようなきがするのだけれど

「抜けてきた」

短く答えながら海斗は手に持っていたスーツの上着を横の棚の上に置き、流れでネクタイも外す