あの時とこれからの日常

「…海斗は、毎日の中で感じることってある?」

「もちろん」

忙しい日々の中でふと向けられた笑顔に、

自然と優しい気持ちになっている自分に気が付いたとき、

まだ自分がしるふを想っていることを知る

そのたびにその想いを大切にしていこうと思う

「…そっか」

体の向きを変えて抱きついた海斗の温もりだけは、変わらない

「海斗」

眼の慣れた中で、お互いの視線が交わっているのがわかる

「ありがとう」

こうやってしっかりと向き合ってくれることがうれしいから

「なんだ、いやに素直じゃないか」

そういいながら合わさる額

狭い部屋に響くのは、二人分の笑声

「素直になったご褒美にさ、教えてよ」

もし自分が海斗から離れていくことになったら抗ってくれるのかを

「何分前の話だ、それ」

うんざりとした響きのある海斗の言葉

「さあ?聞きたいことは聞く、言いたいことは言うが私の信条ですから」

いまだに素直じゃないくせによく言う