あの時とこれからの日常

「そんなに心配か、マンネリ化」

「…いろいろ慣れ過ぎだよ。家に海斗がいてもああ、いるな、って思うだけだし。デートだって、休みの日にじゃあ行きたいとこあるから行くか、みたいな流れだし」

そのうち海斗が好きなのか、ただ楽だから一緒に居るのかが分からなくなりそうで怖い

その先でいつか違う道を歩んでいるのがもっと怖い

「そりゃ、付き合い始めた時のように毎回毎回新鮮なはずない」

わかってる

でもそれでもずっと一緒に居られる未来に進んでいきたいのだ

「付き合い始めたころは、しるふのことは好きだった」

「海斗…?」

抱きしめられた中、そっと海斗を振り返る

「でも、今は、愛してる」

新鮮さが、ときめきが安らぎに変わったなら、変わったからこそそばに居たいと思う

「ずっと付き合い始めのようにいることは、たぶん出来ないし、俺たちがすることは、変わらない日常を続けていくことじゃなくて過ぎていく時間に流されないことなんじゃないのか」

暗闇の中、海斗が優しい瞳をしていることがわかるのも

言葉一つでこんなにも安心できるのも

この想いが、もう恋ではなくてもっと深くて暖かなものに変わったからだろうか