「っぶ」

一瞬の沈黙の後、紗雪の盛大な笑い声が響き渡る

「ちょ!!雪姉!?なぜ笑う!?」

怒ろうよ、そこ!!

「だって…!!だって…、」

だめ、ツボった

と腹を抱えて紗雪が笑う

唖然とその姿を見つめるのはしるふだけで、隣の海斗は静かに紅茶をすすっている

聞き役に徹していた速人と希央も声は出さないが笑っている

「あー、笑ったー。やーばい。黒崎さん最高。よくわかっていらっしゃる」

涙目になった瞳を押さえながら紗雪がやっとこさ復活する

「ちょっと待って。今のどこがその発言につながるの?」

やっぱり何か分かり合っている風な海斗と紗雪の間に入り、しるふが必死に状況について行こうとしている

「え?だって、小さくて、小さくはないかな…、まあいいや。意地っ張りで強情で我がままでまけず嫌いで?しかも泣き虫でさみしがり屋。しるふを言い表す最適かつ端的な言葉たちじゃない」

「はい!?私のどこが意地っ張りで強情で我がままだっていうの!?しかも、なんだっけ、泣き虫でさみしがり屋!?」

おかしいから、それ!!!

海斗、撤回して修正してよ!!!

くわっと海斗を顧みたしるふに

「それ以外に思い浮かばないんだって」

と静かな瞳を向ける