あの時とこれからの日常

「同じ職場?ってことは、救命医?」

確認の瞳を向ける紗雪に無言で頷きを返す

「私の元指導医。有名なんだからね、黒崎先生は」

「今思ったけどさ、黒崎病院の黒崎って何か関係あるの?」

うっわ、それ一番突っ込んでほしくなかった、と思っても後悔先に立たず

海斗の「しるふ、失言」という声が聞こえてきそうで

「医院長ですよ、父は」

でも結局紗雪の疑問に答えたのは海斗だった

しかもさらっと

一番触れてほしくないであろう話題なのに

海斗、ホントごめん

あとでちゃんと謝っておこう、と心に誓うしるふの隣から

「玉の輿?しるふそんな夢あったっけ」

「雪姉さ、さっきから失礼。本人目の前にしてそんなこと言う?」

さすがにむっとしたのか抗議の瞳を向けるしるふに

「ごめん、ごめん。気になっちゃって。しるふが二年も付き合ってるなんて相当なんだなーと思ってさ」

ねえ?と紗雪に同意を求められ、海斗が笑顔で返す

別に気にしてませんよ、と顔に書いてある

ここら辺は耐性のある海斗である