あの時とこれからの日常

「まあ、確かに」

それを言われると何とも言えないが

コン、とマグカップをテーブルに置き、海斗に向き直る

「最初に言っておくね、うちの姉結構面倒だから」

特にしるふの彼氏となれば

「話を聞く限り、しるふの姉さんとは気が合いそうだけど」

「何でよ」

なんて聞き捨てならないセリフだろうか

「それはもちろんしるふみたいな無自覚の塊を相手にしてるから」

お互いにいろいろ共有できるだろうと思っている

「聞き捨てならないわね、海斗。私は無自覚じゃない、ちゃんと自覚持って生きてるわよ」

「無自覚を自覚してないって言う自覚に欠けてるんだけど」

そっとため息交じりにつぶやいた声は、しるふには届かない


と、言うわけで…

「今週末、連れて帰るから」

よろしくね

「へー、本当にいたんだ、彼氏。どんな奴なのか拝むのが楽しみね」

姉に電話をかける横で海斗が夕食の準備をしてくれている

ホント、こいつでよかった

甲斐性もあるし、医者ってとこで姉の安心感も得られるはずだ

海斗ならかぶる猫を何匹かかっているだろうし、

いくら正直な海斗君でも彼女の家族の前では少しは猫をかぶる、はず…

「ふーん。ま、楽しみにしてるから」

あっさりと切れた電話片手に、深い深いため息をそっとついた