あの時とこれからの日常

後悔先に立たず、口は災いの元

なんてよく言ったものだと後々しるふは思う

「言ったわね、あんた。ちゃーんと彼氏って呼べる男連れてきなさいよ。そこら辺のやつに頼むんじゃないわよ」

「当たり前じゃない。女に二言はなし。首洗って待っててよ」



「って、言っちゃったんだよねー」

はあ、とため息をつくしるふの隣で、存在だけ知っているしるふの姉の彼氏と兄、その妻に同情した海斗だった

「悔しいのはさー、お見合い話を回避したはずなのになんか負けた気がするのよ。そしてあの姉の勝ち誇ったような顔?」

結局うまく姉の掌の上で転がされたような気がしてならない

「それで朝っぱから押しかけてきたと」

「そう。言ってしまった手前、今更撤回できないし、あのまま家に居たらぜーったい雪姉に、ねえいつ連れてくるの?とか言われるに決まってるもん」

不機嫌そうな顔をするしるふは、一度息を吹きかけてから海斗お特製のコーヒーを口に含む

とたんに広がる特有の香りに思わず息をつく

「しるふのことが心配なだけだと思うけどね」

日々、そのド天然さと鈍感さに振り回されている海斗には、紗雪の心境がわからなくもない

「海斗だってお姉さんにいろいろ言われるのが嫌で実家に帰らないじゃない」

それと一緒よ