深淵に棲む魚



 淡い提灯の灯りが水面に揺らめき、煌びやかな音楽が内側から聞こえる。

 賑やかな笑い声もからからと漏れていた。


 一瞬で惹きつけられた。


 それからは毎晩毎晩、飽きることなくそれを眺めた。

 あんなに美しい乗り物がこの世にあるなんて知らなかった。



 日が暮れると、何隻もの船が行き交い、嬉しくて、寄り添うように泳いだりした。



 それだけで幸せだった。







 それなのに、ある時を境にぴたりと屋形船が現れなくなった。