深淵に棲む魚



 とうとうある日、水底に生息する魚から逃れようと上へ昇った。

 そして、知った。



 水の上に世界があること。

 そこに魚とは別の生き物が住んでいること。



 不思議な世界だった。



 私は不思議な世界の生き物を良く見ようと、彼らがより密集している場所まで水流を上った。

 そこは流れが強く幅の狭い、住むには適さない場所だった。

 何とか深い岩場の窪みを見つけ、身を隠しながら生活した。

 後にそこが「川」であり、元居た深い水の溜まり場が「湖」であると学んだ。


 
 私は来る日も来る日も、水の上の世界を見続けた。

 好奇心と言う奴だった。