深淵に棲む魚



 どうして男はそんなに焦っているのだろう?

 私は逃げる気も隠れる気も無いのに。



 そんなことする理由も必要もない。

 寧ろ男の方こそ、気が変わって逃亡するのだから。



 そう考え、私はやっと思い出した。




 そうだった。





 私はここのところずっと、熱心に男漁りをしていたのだった。