受付の従業員が気になるのか、男は一旦私の身体から離れ、独りエントランスを抜けた。 私が後に続いているのを横目で確認しながら、ロビー脇の古いエレベーターのボタンを押す。 ガコンと、大きな音を立ててドアが開き、乗り込んだ私達を上へ上へと誘った。 「301号室だよ」 扉が開くと、男が耳元で囁いた。 (301号室……)