深淵に棲む魚



 烏帽子の男は何も答えなかった。


 わいわいと、まるで祭りのように、漁師たちは人魚の解体を楽しみ始めた。




「今晩は、寝る前に生き血を飲むの忘れんようにせにゃ」

「俺は今飲んじまおうか」

「ああ、そりゃあいい」



「それにしても、この変な煙は邪魔くさいなぁ」

「消しちまえ」




 厳つい顔の漁師が、煙の昇っていた土の塊をばっと払いのけた。