暫し張り詰めた空気が流れ、「どうぞご自由に」と男は頷いた。 漁師たちはあからさまに活気づく。 「よし、んだら始めるぞ」 細顔の漁師が大風呂敷をぱさっと広げ人魚の上半身をすっぽり包んだ。 「こうしちまえば、ただのデカい魚だぁ」 皆がげらげら笑う。 一瞬、男の存在を思い出した年長の白髭を蓄えた漁師が、愛想笑いを浮かべた。