娘は眉を寄せ、祈祷師をじっと見返しました。
「この先に、川幅の狭く岩が幾つも突出したところがあります。その岩場を利用して橋を建てようと、木の杭も数本水底に打ち付けてあるのです。そこを上手く渡れば、向こう岸へ辿りつけるでしょう」
言葉を理解した娘は、哀しそうに何度も首を振りました。
娘の青い瞳は暗く翳り「もう死なせて下さい」と嘆いていました。
「独りきりは耐えられないのです」と強く訴えていました。
祈祷師は、娘の青い瞳の奥に幼き自分の姿を見た気がしました。
「ならば、共に今の世を去りましょう」
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