次に烏帽子の男に出会ったら、迷わず黒い丸薬を飲もうと決めた。

 今までにない事だった。



 同じ時間を独りきりで永遠に繰り返す方が、男の丸薬の説明よりもずっと残酷だと気が付いた。



 もう、独りは嫌だ。



 私だって、誰かとつながって生きてみたい。

 ああ、そうか。







 深い眠りに誘われる中、私は、自分が交尾にこだわった理由が、やっと分かった気がした。