それは、私にとってあまりに刺激的で衝撃的な出来事だったからかもしれない。

もしくは、女の浮かべた恍惚とした表情が羨ましかったせいかもしれない。


単なる好奇心だったかもしれないし、もっと別の気持ちが存在していたのかもしれない。


本気で烏帽子の男と交わりたかったからかもしれないし、人についてもっと知りたかったからかもしれない。



複雑な感情のようでもあるし、実は全く単純明快のような気もするけれど、実際の所良く分からない。

いずれにせよ、今となってはどうでも良いことだった。





だって、私は人と交われないのだから。