そうして沢山の家族連れが行き交う隙間に、チラリと異様な人影を見た。
大きな背中に黒いギターケースを背負い、プールへ向かう男だった。
透き通るほどの白肌。
切れ長の瞼から覗く神秘的な瞳。
明らかに、他の人と様相が違った。
惹きつけられるように男の後を追いかけた。
男が向かったのは上級者用の五十メートルプールで、対面にある滑り台付きのレジャープールとは異なり、人はまばらだった。
飛沫を上げてプールへ飛び込み、しなやかに泳ぎ続ける男を、柱の陰に隠れて眺めた。
鱗の副作用も相まって、いつの間にか私はプールで泳ぐ男を烏帽子の男と混合していた。



