ふたりのあさこ

もうなんなのよ…。

「急いでるんだけど!」


私は声を荒くした。


『あら、それは失礼しました。でも、また地味な服装するつもり?』


--意味不明。鏡が喋るとかわけわかんないんですけど。


「仕事よ! だから落ち着いた色でいいのよ。化粧しなきゃ」


私はバタバタと忙しく動く。


薄化粧して、ビジネスモードオン。


部屋を飛び出し、鍵を掛けて急ぎ足でエレベーターに向かった。