私はなぜか知らないけど、鏡の前に立ってみた。

アサコに会えるかな? そう思いながら鏡を見つめる。

(ダメか……)

諦めて鏡の前から遠ざかろうとしたその時。

『亜沙子、ちょっと待って?』

呼び止められた。

声の主はわかってる。

「アサコ……」