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「今夜私が死ぬって、え? どういうこと……?」

「…………」

「ねぇ、お祖母ちゃん!!」

「―― ここ数日前からアタシは決まった夢を見るんだ……。まるでお告げのように毎回ね。あの、火事の日、遺体の中から黒い影が抜けだして、赤ん坊の夕浬ちゃんの 中に入り込む。そのまま影は夕浬ちゃんの中に潜みながら大きくなっていくんだ。そうして夕浬ちゃんの中に入りきらなくなった影は、夕浬ちゃんから抜け出 し、今度は夕浬ちゃんを自分の影に取り込もうとする」


「……影って」


「……抽象的でごめんよ。決まってその夢の最後はあんたが黒い影の中 で、焼けただれて……もがき苦しみながら死んでいくんだ。……支離滅裂な夢だから気にしていなかった。けど、消えたはずの『それ』と、今のあんたの事情を 察して、確信に変わった。もうすぐ側まで危険が迫っているんだろう?」


「……ちょっと、待ってよお祖母ちゃん、確信に変わったって……? いくら不思議な力のあるお祖母ちゃんでも、夢だけじゃそんなことわからないでしょう?」


「……あんたには、その箱の中の黒いモノが何なのか、わからないかい?」


「……わからないよ! いったいなんなの……!?」


「あんたが一番感じるところがあるはずなんだ。それは、あんたの……。あんたと箕輪の体の一部だよ」


「まさか」


「……ああ、それは、あんたの『臍の緒』さ」




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