いきなりのことに、びっくりして体が強張る。
高橋くんは、そんなの気にしてないようで私を振り向かせると満面の笑みを浮かべた。
「…瑛未ちゃん、今日はオレとデートしよう!!」
「…あ、あの……腕…」
腕を離してほしいのに、言葉が上手く出てこない。
―…でも……あれ?
いつもみたいに怖くない。
いつもなら、怖くて嫌で、意識を手放しそうになるのに―…
高橋くんに掴まれててもそんなに嫌な感じ、しないよ?
私は、自分の腕をつかんでいる高橋くんの手を見ていた。
―…細いなぁ……
高橋くん、優しいし顔もかっこいいからモテるの分かるよ。
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