夏生の表情が曇る。


「……え?」



すると、オレをおしのけて、ひなのちゃんが夏生の前に立った。



「……夏生、最低。」


夏生を冷たく睨みつけるひなのちゃんの視線。


「や…っ、ひなの誤解だよ?」


焦った夏生は苦笑いで弁解を始めた。



「どこが誤解なのか分かるように説明してよ!!」



今にも、夏生を殴りそうな勢いのひなのちゃん。



「―…オレは邪魔者だから、後は二人で解決してね☆」


傍観者のオレはそう言って、ふたりの前から走り去った。



何秒後かに遠くで「勇雅のバカー!!」と言う夏生の声が聞こえたけど。




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