雨の中、傘もささずに立っているオレたち。
いつのまにかオレも福永瑛未と同じくらい冷たくなっていた。
「―…ね、夏生とデートするつもり?」
オレは、気になっていたことを聞いてみた。
「…来るまで待ってる…って言われたから行かなきゃ…」
―…夏生……
どこまで女好きなんだ。
「…アイツ、彼女いるよ。」
「…えっ…」
「瑛未ちゃんは、夏生とデートしたい?」
困った顔になった。
多分、どう答えればいいか悩んでるんだろう。
そんな福永瑛未が面白くて、吹き出しそうになるのを堪えながら言う。
「大丈夫。夏生には言わないから♪」
「…あんまり。」
『あんまり=嫌』と、とってもいいんだよな?
「―…おし、任して!」
いい作戦を思いついたオレは、にっこりと微笑んだ。
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