「―…福永瑛未ちゃんいるー?」
荒々しくドアを開けたとたん、夏生が叫ぶ。
―…何やってんだ、コイツ。
このレベルは正直、引くわ。
せっかく頭いいのに、する行動はバカとか最悪だな。
オレも夏生も同じくらいの瞬間で福永瑛未の姿を見つける。
友達とイスに座って、向かいあっている様子を見ると、きっとおしゃべりを楽しんでいたんだろう。
…何かオレが申し訳なくなってきた。
福永瑛未が夏生の顔を見た途端、顔が引きつったのをオレは見逃さなかった。
―そーだ……コイツ、男嫌いなんだよな。
「…おい夏生、やめろって!!」
オレは本気で、夏生を止めた。
だけど夏生には聞こえていないようで、どんどん福永瑛未の元へ近付いて行く。
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