「……姫だっこして保健室に連れて行ったけど?」


「それだよ、それ。学年中のすごい噂だよ。」


「何だよ、くだらねぇ。」


「でもいーなぁ…瑛未ちゃんを姫だっこ出来る奴なんて天然記念物に近いって!!」


「…アホか。」



………あ。


頭の中でピンポーンといういい音がした。


―…これって……いつもムカつく夏生に復讐するチャンス?



「…夏生。」


「あー?何だよ?」


「オレ、瑛未ちゃんとアドとか番号交換したんだ♪」


ニヤニヤとした笑顔で携帯を夏生に見せつける。


その画面に表示されてるのは『瑛未ちゃん』の文字と番号にアドレス。



夏生は、一瞬悔しそうな顔をしたと思ったら…


「削除してやる!!」と、飛びかかってきた。




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