一生懸命高橋くんを睨んでる…つもり。
でも、高橋くんのその顔は絶対気付いてないよね。
―…ほんと弱いなぁ、私。
しかも男嫌いの上に鈍臭くさくて、バカって最悪だね…
「理由…聞かせて？」
「…はい？」
高橋くんの優しい笑顔が私に向けられた。
―…何なの、この人？
どんだけ空気読めないの？
「……別に高橋くんには関係ないことだよ。全然面白くない話だし。」
聞こえないように言ったつもりだったのに―…
「オレが聞きたいから関係なくないの!!」と満面の笑顔。
びっくりして、その顔に拍子抜けした。
「多分オレ、その理由分かるし。多分！」
高橋くんから発される話聞きたいオーラと目のキラキラさに圧倒される。
――…あぁ、もう。
この人には敵わない。
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