嬉しいと恥ずかしい。
高橋くんの言葉は、私のテンションを自由自在に操れるみたいだ。
「―…私も、高橋くん…好きだもん…」
私は体中の精一杯の力で、高橋くんを抱きしめた。
高橋くんは私の表情にフッと微笑んだかと思うと…
「知ってるし。」
って、もっと強い力で抱きしめ返してくれた。
そうすることで初めて実感する。
―…私は今、大好きな高橋くんの腕の中だ……ということを。
最初から高橋くんは男の子だったけど、嫌いじゃなかった。
私の男嫌いっていう性格をフォローして、受け入れてくれる人だった。
―…今思えば、あれは一目惚れだったのかな。
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