そう考えて凹む私の前で、女の子が高橋くんに抱き着いた。



「…ゆーが♪今日、うちらと遊ぼー?」


高橋くんは女の子を自分から離すと、微笑んだ。



「何、放課後の話?ボーリング行きたくね?」


「行く!!夏生も誘ってね!」


「…はいはい。」




―…今の会話。


かなり、傷付くんだけど。



…でも当たり前だよね。



高橋くん明るいしかっこいいから普通に人気だし。


…誰にでも優しいからモテるもんね。



―…誰にでも、優しい。


だから男嫌いの私にも、優しかった。



…本当は、こうやって見てるだけじゃなくて行かないでって止めたいよ―…




「…すごい顔ー」


「…痛っ!!」



ゆいが、面白がって私の眉間をつまむ。



「…ゆいっ!!」



無意識に出た大きな声。


周りの人が私たちに注目する。



―…うわっ!!


やっちゃった!!



真っ赤な顔でキョロキョロと周りを見回す。



私に視線を送るその中に、意外な人の顔を見つけた。



その人は、もう絶対に目が合わないと思ってた人で。




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