とぼとぼと、来た道を逆に歩いていた。 少し虚しくなった私は暗い顔を上げて、また歩き出す。 ―…そこで、気付いた。 「…あれ?ここ、どこ?」 気付いた時には私は、見慣れない住宅街をウロウロ歩いていた。 ボーッと歩き続けていたせいで、自分がいる場所も分からない。 「…迷子ってこと?」 …空は、もう暗い。 どうしよう…… どうにかして駅前まで行ければ、ひとりで帰れるのに…… 誰かに助けてもらうわけにもいかず、自分の勘で歩き続けていた。 .