高橋くんのことを考えると、私はいてもたってもいられなくなっていた。
「…ごめん…私帰る!!」
「えっ!?ちょっ…瑛未たん?」
「ごめんね!また今度行こ?」
動き出す私の足。
もう、いる訳ないって分かってるのに追いかけずにはいられないんだよ。
だって、足が自然に動いちゃってるんだもん。
私は、ふたりが自転車に乗って行った方向に向かって走っていた。
―…空に登る夕陽。
当たり前だけど、ふたりの姿は見つけられなかった。
「…やっぱ、いる訳ないのに…」
本当、バカみたい。
私には、関係ないんだからほっとけばいいじゃん。
なのに、どうして体が勝手に動くの?
高橋くんが絡むと、自分が分かんなくなるよ。
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