私は、一気に屋上までの階段を上る。
いつのまにか、ゆいの姿も見えなくなっていた。
息遣いがかなり荒くなって、横腹が痛い。
…でも、この胸の痛みはこんな痛みとは比べられない。
「…ヤキモチじゃん。」
はぁはぁという息づかいの中に混ざる言葉。
消そう消そうと頑張っても消えない、この気持ち。
…この胸の痛みは、高橋くんへの思いでしょ?
チカさんに取られたくないっていう気持ちでしょ?
高橋くんのことが好きっていう恋心でしょ?
―…気付くのが遅すぎたね。
彼女持ちの人を好きになっちゃった私がいけないのかな?
もう少し早く出逢えてたら何か変わってたのかな?
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