チカさんは、可愛い笑顔で話を続ける。
「勇雅っていい奴だよね。」
「…うん。」
そうだよ。
私なんかと仲良くしてくれるくらいなんだから。
「…私、勇雅好きだな。」
ものすごく優しい顔でチカさんは笑う。
好きだなって…
彼氏なんだから、好きじゃないとおかしいでしょ。
左の薬指を見ると、さっきのシルバーリングが光っている。
…まるで私にふたりの幸せを見せつけられているみたいに思えて、すぐに目をそらしてしまった。
「…私、帰るんで。」
「あ、引き止めてごめんね?気を付けて帰ってねー」
笑顔で手を振るチカさんに見送られながら学校を出た私。
校門を出た途端、その場にへたりと座り込んでしまった。
.

