高橋くんは『彼女がいる』とは言ってなかった。
でも『彼女がいない』とも言ってなかった。
「瑛未ちゃん…マジで大丈夫?」
「…ごめん…ちょっと具合悪いから保健室行くね。」
なんとなくその場に居たくなくて、ふらつく足で保健室へ行く。
すると本当にベッドで休ませてもらえることになった。
横になったのに、中々寝つけなくて、ずっとチカさんのことばかり考えてしまう。
なんか心の中に真っ黒いモヤモヤがあるみたい。
おかしいよ、私。
…男の子なんて嫌いなんでしょ?
高橋くんも男の子なんだから、別にいいじゃん。
―…これじゃ、チカさんにヤキモチ妬いてるみたいだよ。
―…高橋くんのこと、好きみたいだよ?
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