変に鼓動が早くなる私。
そんな私を置いて、ふたりの会話は進む。
「勇雅ぁー…あの指輪なくしちゃったー」
「あ、家にあったけど。兄貴が見つけたみたい。」
「…マジで?」
「ん…はい、次はなくすなよ。」
高橋くんはそう言って、ポケットから出した指輪をチカさんに渡す。
「…よかったぁ……誕生日にもらった指輪だったからさー」
チカさんは、指輪を大切そうに見つめる。
……可愛い…
「勇飛にありがとって言っといて!じゃあね♪」
チカさんは、嬉しそうに手を振って去って行った。
高橋くんも振り返す手。
……あ、分かった。
指輪に彫ってあったCは、チカさんのことでしょ?
―…チカさんが高橋くんの彼女でしょ?
.

