何事もなかったかのように自然に話掛けてくる高橋くん。


…私は抱きしめられたことを思い出して、意識しちゃうのに。


やっぱ…結構、女慣れしてるもんね。



「…あれ?今日、友達は?」


「あー…ゆいは、今日休み。風邪ひいたんだって。」


「へー…じゃあ、今日ひとり?」


「大丈夫だよ。みんな話掛けてくれるし…」



『ふーん』と高橋くん。


…もしかして心配してくれてた?



ありがとうとお礼を言おうとした時、高橋くんのポケットから何かが落ちた。



私の視線が、その『何か』を追っていく。




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