心臓が反応がする度に、私は自分に言い聞かせる。



初めて抱きしめられたし、そういうことに対しての免疫が出来てないからだと。



そして、いつも深呼吸して心臓を落ち着かせる。



―…いつもは、それで済むのに。


今日に限って、その人は笑顔で声を掛けてきた。



「瑛未ちゃん、何してんの?」


「た…高橋くん…」



―…ほら、また。


心臓が暴れ出す。




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